180度広がる海の眺めを楽しむために。コンクリートの素材感を生かしシンプルに徹した家づくり。

この海の眺めこそが、この家の最大の魅力。海側と中庭側(右)から光と風が入るリビング&ダイニング。奥のキッチンとの間に造られたコンクリートのカウンターは存在感がある。
遠浅のビーチが目の前に広がる、海辺のアトリエのようなY邸。ゲートをくぐリコンクリート打ちっ放しの建物に入ると、室内もコンクリートがそのまま生かされ、床もモルタル塗りだけで仕上げられています。
「海の眺めが楽しめて、できるだけ大きく見える家にしたかったんです」とご主人。そんな希望を実現するため、建築家の高橋洋一さんが提案したのが、コンクリートのみで木はいっさい使わないシンプルに徹した家でした。
コンクリート造りは大きいサッシが使えるので海側の窓を思い切って広く取れることが、大きな理由でした。
ものづくりが好きで、家の図面も自分なりに描いていたというご主人は、「家づくりが具体化する以前にイメージしていたものからは随分変わったが、外も中もコンクリートのみ、という潔さが気に入った」といいます。

【写真左】玄関側から見た外観。正面が住居、左手がガレージ。敷地いっぱいに造られたコンクリートのゲートが家を大きく見せている。
【写真右】海(左手)に向かって開かれた住居。下部を一部斜めに切り取ることで、コンクリートという重い素材の建物に、軽さと動きを出している。
夏になるとすぐ前の道を行き来する海水浴客の視線を避けるため、海側をやや高くするスキップフロアを採用。広い玄関を入ると真正面に明るい中庭、階段を上がってリビングに出たとたん、真っ青な海と空の眺めが180度広がります。
「夕焼けで海が染まった時は最高。海の色や波の様子が日によって変わるのも楽しみです」とYさん夫妻。入居後すぐの夏はさっそく目の前のビーチで海水浴を楽しみ、5歳の娘さんは「海デビュー」を果たしたそうです。

【写真左】中庭に面したバスルーム。ホテルのようなおしゃれな雰囲気だ。
【写真中】玄関からこの階段を抜けて、開放的なリビングへ。わくわく感が高まる。
【写真右】広く明るい玄関。正面のシュークロークも十分な広さで、玄関はいつもすっきりしている。
床や壁はもちろん、リビング&ダイニングとキッチンを仕切るカウンターもコンクリート。「せっかくなら、思いきりコンクリートの存在感を感じられるのがいい」というご主人の提案でした。
中庭を回遊する形でリビング、和室、寝室、子ども部屋などの居室が配され、オープンな中庭を介して風と光が抜けるよう配慮。中庭に面した明るい浴室は、「ホテルのパウダールームのようにしたい」というご主人の希望が叶ったスタイリッシュな空間です。
本当に好きなものをきちんと見極め、自らのライフスタイルを持つことで、何を省き、何を生かすかが見えてくる。ストイックなまでにシンプルなY邸は、そんな住まいづくりの原点を教えてくれる気がします。
「おおいたの住まい情報誌WISE(ワイズ)2011」でご覧いただけます



