CUBEの中にギュッと詰まった快適空間

i-CUBE外観

夜は特に美しいi-CUBEの外観。統一感を出すため、ダミーの窓も設けている。このi-CUBEは、本年度のベスト100作品を決める(社)日本建築家協会の優秀建築選2010にセレクトされている。

街中の土地は便利だけど狭くて、周囲が密集しているので念願の家が建ちにくい。そんな悩みを抱いている方に朗報です。

交通の便がいい大分市内に建つK邸が、都市に住まいを持つ人の課題を軽くクリアしてくれたようです。

「i-CUBE(アイキューブ)」という可愛い名前を持つ家は、ラッツ・アーキテクツのi-CUBEシリーズ第2弾。2005年のWISEデザイナーズハウスを見て、古後信二氏(ラッツ・アーキテクツ代表)設計の家が気になり、オープンハウスに何度も足を運んだというKさん。構想5年という時間をかけて、2009年に家を建てる決心をしたといいます。

3角形の土地の中にガレージも倉庫もちゃんと納まっている。オブジェのような建物に、中はどうなっているのか?と、近所の人は興味しんしんだったとか。

3角形の土地の中にガレージも倉庫もちゃんと納まっている。オブジェのような建物に、中はどうなっているのか?と、近所の人は興味しんしんだったとか。

その後、購入した土地は変形の3角形。購入したものの、この小さな土地は駐車場と道路に囲まれ、家が建つと中は丸見え状態。プライバシーを守りながら、快適な空間を作るならば、狭い敷地に有効な「i-CUBE」シリーズがぴったり合うのではないかと考えた古後さん。この3角形の土地の中に4角形を入れて余った中に、ご主人が欲しかったガレージを作ることを提案したのです。

誰もが見上げて通るというキューブ状の建物。周囲から丸見えにならないように外壁をぐるりと囲み、外界から遮断。外壁には、小さな窓をいくつもはめ込んでいますが、中はどうなっているのかまったく謎。さぞ、閉鎖的かと思いきや、誰もが入って驚くというほど、内に現れた中庭から光がサンサンと注ぎ込んでいるのです。1階に寝室、子ども部屋にもなるマルチルーム、2階にリビング、ダイニングルーム。それだけでなく、畳の間、ロフト、ウッドデッキまで完備。コンパクトな中にも無駄なく、しっかりと4LDKが納まっているのです。

ロフトはご主人の小さな隠れ部屋、一人娘の桃菜ちゃんの遊び場にもなっている。

ロフトはご主人の小さな隠れ部屋、一人娘の桃菜ちゃんの遊び場にもなっている。

「平米数で見ると決して広くないけど、狭さは全然感じない。むしろ、開放感さえある。光が入り、明るい家を希望したのですが、風も光も通って満足しています」とご主人。

一見、飾りのような小さな窓もちゃんと実用的で、小物置きにもなっています。デッドスペースがなく、空間をすべて有効利用。狭い面積の中で4分の1が吹き抜けという贅沢な造りが、余裕さえ感じさせます。

誰もが探すという玄関建物の中に、庭も住居もすべて納まり、完結している
【写真左】誰もが探すという玄関は、さりげなくシンプルにデザインに同化している。
【写真右】建物の中に、庭も住居もすべて納まり、完結している。「外と内がすべてがつながっている感じがします」とご主人。
 

狭い土地や、都心の中ではいい家が建たないという思い込みを見事に払拭してくれたK邸のi-CUBEの家。家作りの柔軟性と、施主の住み方次第で、これからの可能性を感じさせてくれる希望の家ともいえそうです。

間取り・建築データ・このほかの写真は、
「おおいたの住まい情報誌WISE(ワイズ)2011」でご覧いただけます